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皮膚腫瘍摘出術 -私の考え-

皮ふ科SSクリニックには皮膚腫瘍の手術を目的に多くの紹介患者さまが来院されます。
皮膚腫瘍摘出術において重要なことは
①皮膚腫瘍の完全摘出
②手術の傷を目立たないようにする(特に顔面)

この2点に留意します。特に①の完全摘出が最も大切と私は考えています。
摘出が完全でない場合、腫瘍は再発します。その際に創部は瘢痕となっているため初回手術にくらべて摘出がずっと困難になります。初回手術が最も大切なのです。
完全摘出できているかどうかは病理組織検査で確認することができます。
皮膚腫瘍は必ず病理組織検査を行う病院で受けてください!!

皮膚腫瘍の摘出にメッチェン(手術用のハサミ)を使う先生もいますが私はメスを好んで使用しますメスで腫瘍を摘出する際に腫瘍の形態がメスを持つ指先に触感として伝わります。この感覚こそが腫瘍摘出の際に私が最も大切にしているものなのです。

メスはディスポーザブルのプラスティック製ものもありますが私は金属製のメスホルダーを使用しています。金属ホルダーの重さを利用して腫瘍を摘出します。
メスホルダーはFEATHER (日本製)、Swann-Morton (英国製)の2種類を使い分けます。Swann-Morton社製ホルダーのほうが重量があります。またそれぞれのメス刃の形も微妙に異なります。
 
写真上の金色のホルダーがSwann-Morton、下の銀色がFeather社 のメスホルダーです。

 
Swann-Morton社のメス刃(写真上)のほうが形がシャープです。

 
メスホルダーの重さを利用して組織を切ります。

 
繊細な操作はメスを立たせてメス刃の先端を使います。

 
 
実際の症例を4つ(粉瘤、外毛根鞘性嚢腫、脂肪腫、腱鞘巨細胞腫)提示します。
 
腰部の再発性粉瘤です。スキンフックで検体を引き上げメスで嚢腫壁を露出させます。

 
摘出した検体です。嚢腫壁がきれいに取れています。余分な組織はついていません。

 
頭頂部の外毛根鞘性嚢腫です。メスで切り開いていきます。

 
ひょうたんのようなめずらしい形ですね。きれいに取れています。

 

後頭部の脂肪腫です。脂肪腫は周囲の皮下脂肪と境界が分かりづらいことがあります。
このような症例こそメスが大切です。メスで脂肪腫と帽状腱膜をていねいに剥離します。

 
脂肪腫は完全に摘出されました。相変わらずいい仕事していますね(笑)。

 
手術直後の創です。時間が経過すれば傷はほとんど目立たなくなります。

 
腱鞘巨細胞腫の症例です。指にできやすい腱鞘(腱を被う薄い組織)由来の腫瘍です。
(この症例のみ私が名古屋大学医学部附属病院時代に執刀したものです)

 
腱鞘をメスで腱から除去しながら腫瘍を摘出します。このような操作はメスが最適です。

 
関節の拘縮を防ぐためS字に皮膚切開しています。再発しやすい腫瘍なので術後5年間
経過観察しました。もちろん再発なしです!! これが本当の皮膚腫瘍摘出術です。

 
写真は唐招提寺の千手観音立像の指です。やわらかく慈愛に満ちた指ですね。
こんな指になりたいと思いながらメスを握る日々です。


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