足の親指、深爪していませんか?
足の親指は最も体重が加わる指です。そのため爪が皮膚に食い込んで痛くなることがあります。外科に行くとたいていは部分抜爪されます。ここが勝負の分かれ目です。
部分抜爪で一時的に痛みが軽快しても爪が伸びれば痛みは繰り返します。
また陥入爪の症状もよりひどくなります。
部分抜爪ではなく爪の周りの皮膚をテープで固定するか、根治手術するのが正しいアプローチであると私は考えます。根治手術も以前はメスで爪と皮膚(後爪郭)を合わせて切除していました。術後の疼痛が強くもはや時代遅れの手術です。
陥入爪の治療はVHO法などの保存的治療を原則としています。
症例によってはフェノール法を好んで施行しています。負担が少なくとてもすぐれた術式です。手術というよりは外来処置の延長のようなものです。実際の手順を供覧します。
足の親指の両側が痛くてお困りです。このように炎症を伴っている陥入爪にはフェノール法がよい適応です。指の根元に麻酔(Oberestブロック麻酔)して止血ゴムを装着します。

麻酔後は無痛です。くい込んだにっくき爪を根元から切除します。30度の角度で爪を引き抜くのがコツです。切除する爪の幅は2~3mmまでとします。

爪の根元はこんなにも深いのです。爪根部をしっかりと切除することがポイントです。

反対側のくい込んだ爪も切除します。かなりくい込んでいますね。
今までかなり痛かったでしょうね。手術直後から痛みはなくなります。

医療用綿棒にフェノール(薬液)を浸み込ませ爪母を腐食させます。私は片側にフェノールを1分間作用させます。いくつかコツがあります。それは企業秘密です(笑)。

エタノールで中和して手術は終了です。手術時間は片足で約10分です。これでくい込んだ部分の爪は生涯生えてきません。根治術です。手術というよりは簡単な外来処置ですね。
びっくりするかもしれませんが、手術の翌日から入浴可能です。

これはひどい状態です。不良肉芽(爪の両端の赤い塊)が増大して痛いです。ある病院で2ヶ月も漫然と抗生剤を処方されていました。しかもその間、患部を濡らしてはいけないとい言われたそうです。 ?????

フェノール法を行ってから2ヶ月半の状態です。不良肉芽は完全になくなっています。
痛みが嘘のようになくなったと、とても感謝されました。
炎症で爪は少しガタガタとしていますがいづれは元に戻ります。
皮膚科医としてこのような症例こそ逃げずにしっかりと結果を出したいですね。

最後にちょっと面白いお話を。
ある高校生がSSクリニックを受診されました。立派な陥入爪です。どうやら外科で部分抜爪を繰り返し施行されていたそうです。どこの医者だ~と聞いたら自分の父親とのこと。
お父上は外科医だったようです。しかも私の先輩でした・・・。
お父さん、部分抜爪は止めて下さいね(笑)。
