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診療だより

ほくろ

  • 【ホクロの治療】 -私の考えー

    2009-09-05 UP!     カテゴリー:ほくろ, 診療だより

    顔のホクロ、気になりませんか?

    一般に顔のホクロは大きく2つに分類できます。
    平坦なものと隆起しているものです。
    前者は単純黒子(lentigo simplex)、後者はMiescher 型の真皮内母斑です。
     
    私は単純黒子を炭酸ガスレーザーで焼灼、真皮内母斑はサージトロンで焼灼しています。理論的な裏づけはありませんが、この方法が術後の経過がよいことを経験しています。
    私たち臨床医はこの経験の積み重ねが何よりも大切なのです。

    術後のトラブルとなるのは再発です。。施術して1ヶ月後くらいより部分的に黒色の色素沈着が出現することがあります。

    深く焼灼すればよいと考えがちですが、真皮層の深いレベルまで焼灼すると陥凹が残ります。 陥凹を生じない深さに焼灼を留めるのがミソでもあります。

    今回はこの再発性の色素沈着についてお話します。
     
    右頬部と唇の上にある盛り上がったほくろを気にされて来院されました。このタイプの隆起性のほくろはサージトロンで焼灼します。

     
    下の写真がellman社のサージトロンです。ラジオ波と呼ばれる高周波の波長で組織を焼灼する為、創傷ダメージが最小限で抑えられます。

     
    施術後間もないやや赤い創面(右頬部、上口部)に黒い色素斑が再発しました。

     
    右頬部のダーモスコピー(10倍拡大像)です。不整型の濃い黒褐色斑があります。

     

    上口部のダーモスコピーです。黒褐色斑の出現があります。うぶ毛も目立ちませんか?
    顔の盛り上がったホクロは太いうぶ毛を伴うことが多いのです。

     
    以前はサージトロンもしくは炭酸ガスレーザーで再焼灼していました。

    ダーモスコピー画像を見てはっと思ったことがあります。
    色素の出現は母斑細胞の再発なのでしょうか?
    色は濃く、私には残ったメラニンがエリミネーション(排出)して表皮~角層にに排出されているように思えるのです。
    その仮説が正しいならばルビーレーザー照射でも効果があるはずです。
     
    The Ruby Z-1(JMEC社)の登場です。私は表皮もふっ飛ばしたいでのQ-switch ではなく
    Normal モードを選択します。この器械はQ-switch とNormal 照射を選択することができます。この機能はとても大きいですよ!

     
    左頬部の再発をRuby laser 照射した直後のダーモスコピー像です。色素だけがきれいに
    吹っ飛んでいます。この芸当は炭酸ガスレーザーでは不可能です。

     
    上口部の再発をルビーで照射した後のダーモスコピー像です。
    色素だけでなくうぶ毛も吹っ飛んでいるのが分かりますか?

     
    ルビーレーザー照射12日後です。再発した色素斑は跡形もなくなっています。
    レーザー照射部も完全に上皮化しているのが分かりますか?


     
    この方はきれいになりますよ。
    きれいになったお礼にと宮崎県の焼酎「100年の孤独」頂きました。こんな高価なお酒をありがとうございます。休診日の前にじっくりと酔わせてもらいます。楽しみだな~
     
    ルビーレーザーのよいところは炭酸ガスレーザーと違って麻酔注射が必要ないことです。
    また上皮化がとても早いのも大きな特徴です。
     
    別の症例です。サージトロンで左下顎部のホクロを焼灼しましたが色素斑が出てきました。

     
    ダーモスコピーで見るとこんな感じです。褐色斑とやや太いうぶ毛も目立ちますね。

     
    ルビーレーザー(Normal モード)で照射1ヶ月後のダーモスコピー像です。
    メラニン色素ははきれいになくなっています。太いうぶ毛も細くなり目立たなくなっているのが分かりますか? 毛はメラニンを有する為、ルビーレーザーに反応するのです。

     
    患部はやや白いですが時間ととも馴染むでしょう。

     
    サージトロン(もしくは炭酸ガスレーザー)とルビーレーザーのコンビネーション治療。
    ホクロの治療にはこの組み合わせがよいと思っています。

    皮ふ科SSクリニックは最後まで責任を持って治療するクリニックです。

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