前額の脂肪腫は深いです。
なぜか前頭筋の下で前頭骨の骨膜に接して局在しています。
おでこの脂肪腫摘出にはちょっとしたコツがあります。
それほど大したものではありませんが。
素敵なミセスの左前額のしこりです。こりこりとして気になるようです。

まずは皮膚エコーですね。
脂肪腫は粉瘤と比べると内部エコーが高いです。骨膜の上にmassが局在しています。

ここで「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery」分光堂から引用します。
前額のシワの方向(横方向)に沿ってメスをいれます。

前頭筋は縦方向に走行しているので、縦に筋層を切開します。

実際の手術写真です。脂肪腫に下から押されて前頭筋が膨れています。

縦に切開した前頭筋の間から脂肪腫を引きずり出します。骨膜からていねいに剥離するのがコツです。

摘出した脂肪腫です。

吸収糸で筋層を縫合、真皮縫合します。

術後13日目です。
左前額のキズがわかりますか?まだちょっと赤いですね。
もう少し時間がたてばほとんど目立たなくなると思います。

脂肪腫はキズが小さくなるようにsqueeze法(もみ出し)で摘出したいのですが。
前額の脂肪腫は筋層の下で骨膜とがっちりと癒着しているのでsqueeze法は無理です。
内視鏡で摘出する方法を形成外科の雑誌で読んだことがあります。
そこまではちょっとね・・・。
参考文献
「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery の実際」分光堂 p.275
23. 脂肪腫 田村敦志
