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巻き爪

陥入爪、弯曲爪 -私の考えー

一年間ワイヤーを着けたらほんとうに治りますか?

VHO法を行っている医局の先生から言われた言葉です。
当院では陥入爪、弯曲爪にVHO法をメインに行っています。
3~4ヶ月ごとにワイヤーを交換、この作業を3回ほど行います。

1年間で巻いた爪が元のフラットな爪に戻っているか?

Yes でもあり No でもあります。
症例を提示してVHO法の問題点と現在の私の考えを述べたいと思います。
 
VHO法を3回施術中の症例です。

 
正面からみると爪がほどよく平らに戻っているのが分かります。


 
下の症例では、右拇趾は改善していますが左拇趾の爪先端は巻いたままの状態です。
このように同じ患者さんの爪でも治療効果が異なることが分かります。

 
下の症例はVHO法があまり有効ではなかった例です。

 
横から見ると爪がまだかなり巻いているのが分かりますね。
このような症例ではマチワイヤを追加します。

 
マチワイヤとは超弾性ワイヤのことです。ワイヤの太さは0.25~0.6mmまで8種類あります。
下のワイヤは0.45mmです。

 
痛てててっ・・・ 痛くありません。注射針で爪に穴をあけます。

 
あけた穴からマチワイヤを通します。ワイヤが戻ろうとする力で巻いた爪が広がります。

 
医療用アロンアルファでマチワイヤを爪と固定します。

 
装着した後の状態です。運動も通常どおりに行えます(ピントがあまくてゴメンナサイ)。

 
VHO法はそれ自体すばらしい施術だと思います。しかし爪先端部分の広がり効果が不十分な症例も経験します。

 
VHOのワイヤーをはずした状態です。爪根部は広がっていますが、先端はまだ巻いています。VHO法をこのまま続けるべきかどうか?


 
VHO法は爪の根元から改善、マチワイヤは爪の先端から改善します。
この両者を組み合わせるのが新しい弯曲爪治療になるかもしれませんね。

 
VHO法施行して1年たっても治りません。患者さんはキレ気味です。
申し訳なくて、しんちゃん院長は泣き気味です。

 
院長がおもむろにドリルで爪に穴を開け始めました。何がはじまるのでしょうか?

 
VHO法とマチワイヤのコンビネーション治療です。
マチワイヤを入れた直後から爪が開いているのが分かりますか?

 
爪を裏から見たとことです。いい感じに開いていますね。

 
VHO法、マチワイヤのそれぞれに一長一短があります。
陥入爪・弯曲爪の完全な治療法はないと私は思うのです。それぞれの良さを理解して患者さんの足の症状ごとに治療を選択もしくは組み合わせるのがベターだと思っています。
 
最後に子供の陥入爪について。2歳の男の子です。爪がはがれており不良肉芽が痛そうです。このような症例を外来で時々見かけます。さあ、どうするか?
外科に行くと部分抜爪されてしまします。最もしてはいけないことです。

 
このような症例にはコットンパッキングが有効です。綿花を米粒くらいに丸めてピンセットで爪と皮膚の間に挿入します(写真は別の症例です)。

 
下の写真はダイーソーで見つけたステンレス製のピンセット(曲型 紙絵工作用)です。

 
このピンセットは曲がっていて先端が平らになっている為、爪の下に綿花をつめるのに最適です。

 
爪と皮膚の間にすき間ができて炎症がおさまります。ごく軽度の陥入爪ならこのコットンパッキング法で治ることも多いです。

 
先ほどの2歳男の子の写真です。エクセレント!!きれいに治っていますね。
毎日、お風呂上りに丁寧にコットンパッキングしてくれたお母さん、お疲れ様でした。
子供の陥入爪は親の協力が必要不可欠です。

 
マチワイヤ、コットンパッキングについては町田英一先生(日本大学医学部整形外科)の
巻き爪・陥入爪・外反母趾を治す本」マキノ出版に詳しく載っています。
とてもいい本ですよ。皮膚科医には必読の書です。私は2冊も購入しました。
 
最後にひと言。
 
陥入爪・弯曲爪の治療は想像以上に奥がふかく大変です。爪は皮膚の一部です。
巻き爪・陥入爪は皮膚科医が中心となって治療すべき疾患です。
 
皮膚科の先生、がんばりましょう!

陥入爪(巻き爪)治療 【フェノール法】

足の親指、深爪していませんか?

足の親指は最も体重が加わる指です。そのため爪が皮膚に食い込んで痛くなることがあります。外科に行くとたいていは部分抜爪されます。ここが勝負の分かれ目です。
部分抜爪で一時的に痛みが軽快しても爪が伸びれば痛みは繰り返します。
また陥入爪の症状もよりひどくなります。

部分抜爪ではなく爪の周りの皮膚をテープで固定するか、根治手術するのが正しいアプローチであると私は考えます。根治手術も以前はメスで爪と皮膚(後爪郭)を合わせて切除していました。術後の疼痛が強くもはや時代遅れの手術です。

陥入爪の治療はVHO法などの保存的治療を原則としています。
症例によってはフェノール法を好んで施行しています。負担が少なくとてもすぐれた術式です。手術というよりは外来処置の延長のようなものです。実際の手順を供覧します。
 
 
足の親指の両側が痛くてお困りです。このように炎症を伴っている陥入爪にはフェノール法がよい適応です。指の根元に麻酔(Oberestブロック麻酔)して止血ゴムを装着します。

 
 
麻酔後は無痛です。くい込んだにっくき爪を根元から切除します。30度の角度で爪を引き抜くのがコツです。切除する爪の幅は2~3mmまでとします。

 
 
爪の根元はこんなにも深いのです。爪根部をしっかりと切除することがポイントです。

 
 
反対側のくい込んだ爪も切除します。かなりくい込んでいますね。
今までかなり痛かったでしょうね。手術直後から痛みはなくなります。

 
 
医療用綿棒にフェノール(薬液)を浸み込ませ爪母を腐食させます。私は片側にフェノールを1分間作用させます。いくつかコツがあります。それは企業秘密です(笑)。

 
 
エタノールで中和して手術は終了です。手術時間は片足で約10分です。これでくい込んだ部分の爪は生涯生えてきません。根治術です。手術というよりは簡単な外来処置ですね。
びっくりするかもしれませんが、手術の翌日から入浴可能です。

 
 
これはひどい状態です。不良肉芽(爪の両端の赤い塊)が増大して痛いです。ある病院で2ヶ月も漫然と抗生剤を処方されていました。しかもその間、患部を濡らしてはいけないとい言われたそうです。 ?????

 
 
フェノール法を行ってから2ヶ月半の状態です。不良肉芽は完全になくなっています。
痛みが嘘のようになくなったと、とても感謝されました。
炎症で爪は少しガタガタとしていますがいづれは元に戻ります。
皮膚科医としてこのような症例こそ逃げずにしっかりと結果を出したいですね。

 
 
最後にちょっと面白いお話を。
ある高校生がSSクリニックを受診されました。立派な陥入爪です。どうやら外科で部分抜爪を繰り返し施行されていたそうです。どこの医者だ~と聞いたら自分の父親とのこと。
お父上は外科医だったようです。しかも私の先輩でした・・・。
お父さん、部分抜爪は止めて下さいね(笑)。

巻き爪治療 VHO

以前にもこのブログでVHOによる巻き爪の治療法を紹介しました。
最近は以前にもましてVHOの問い合わせが多いので再度紹介します。

メディカル・フスフレーガーのエルヴィラ・オストホルト氏によって1979年に創設したオートニクシー研究所で開発された巻き爪矯正技術についての名称がVHOです。
Virtuose Human Orthonyxio(熟練の技による人間的な巻き爪矯正法)の頭文字を取ってVHOと呼ばれています。

巻き爪の両側に特殊なワイヤーを挿入し、両側のワイヤー同士をストリングと呼ばれる金属で引き締めることで陥入した爪を元の状態にする方法です。ドイツ生まれの手法であり類似の金属プレート法、簡易ワイヤー法にくらべると再発率が少ないのが大きな特徴です。

VHOを習得するには講習を受け免許を得なければなりません。
院長は2007年にドイツのフットケア技術の第一人者であるアクセル・ペルスター講師から学びました。このVHOを日常診療にて施術していますがとてもいい術式であると感じています。基本的に無麻酔で行います。爪の陥入がひどい症例ではワイヤーを挿入する時に一瞬痛みを感じます。院長のトークで勘弁してください(笑)。
 
 
下の写真がVHOの免状です。 Shinichi  Shibata の文字が 見えますか?

 
 

両端のワイヤーをストリングと呼ばれる金属で引き締めているところです。
歯の矯正に近いイメージです。

 
 

下の写真に注目して下さい。
両足の両端のワイヤーの間隔に左右差があるのにお気づきですか?
院長が初期の頃に施術した症例です。まだまだ若造でしたね(笑)。
ワイヤーの間隔は1cmくらいが程よいテンションが加わり理想とされています。

 
 

ストリングをカットした先端はこのままだと靴下、ストッキングに引っかかりますのでシールを特殊なノリで固定します。 緑が鮮やかです。

 

 
お星様も素敵ですね。

 
 
男はワイルドにスケルトンです。

VHOについてのお問い合わせは遠慮なく皮ふ科SSクリニックまでご連絡ください。
TEL. 052-332-7870 (休診日 木曜日、日曜日)

ちょっとした工夫(3) VHO法

 
このブログでちょっとした工夫シリーズを連載してきました。
今回は
VHO(医療用ワイヤーを用いた陥入爪手術)での工夫についてです。
巻き爪(陥入爪)はとても痛いものです。炎症が強く爪の周囲に不良肉芽がある場合はフェノール法(外科的に爪を部分的に切除して爪母を薬剤で破壊する)がよい適応です。炎症はさほど強くはないけれど周期的に爪の周囲がズキズキと傷むことがある、そんな方には
VHOがおススメです(自費診療)。ドイツ生まれの素晴らしい手法です。医療用ワイヤーをくい込んだ爪と皮膚の間に入れて、そのワイヤーの力で1年間かけて爪を元の状態にさせる手法です。弾性プレートによる簡易な手法に比べると再発率が少ないことが特徴です。VHO法のポイントはずばり2つです。
 

患者さんの爪の幅、変形に合わせてワイヤーを適切に加工する。
くい込んだ爪と皮膚(爪床)の間にワイヤーを上手く引っかける。
 

特に②は術者の慣れが必要です。爪のくい込みが強い患者様ですとワイヤーを引っかけるがなかなか大変です。私は引っかける時にルーペを使用します。これによりくい込んだ爪と爪床のすき間を観察することができます。そのすき間にするりとワイヤーを入れ、引っかけることで施術の痛みはほとんどありません。これからもいい治療を提供し続けたいです。VHOについてご質問のある方はご遠慮なくクリニックまでお電話下さい。            ℡. 052-332-7870

 

専用の器具を用いてワイヤーを加工します。

ルーペを使用して加工したワイヤーを爪と爪床の間に引っかけます。ここが最大のポイントです!!

見事、爪の両端にワイヤーが引っかかりました。

ワイヤー同士を別の金属で巻きつけます。この力で爪が引き上げられます。

カットしたワイヤーの上を専用の固定のりで固めます。女性なのでお花をアレンジしました。このワイヤーを爪の伸びとともに3~4ヶ月ごとに交換します。約1年で巻き爪(陥入爪)が本来の状態に戻ります(治療効果は個人差があります)。この間、スポーツも可能です。

VHO法は自費診療となります。                                   初回      片足  15,000円  両足  26,850円
2回目以降  片足  12,900円  両足  24,750円                      診察料込みの料金です。


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