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しみ(ルビーレーザー)

やっぱりルビーレーザー

しつこいですけど、やっぱりルビーレーザーですよ。
 
たびたびこのブログで登場する60歳のミセス。
ひさしぶりにクリニックに来られました。
 
シミ治療前の写真です。
頬部にある2つの大きな老人性色素斑が目立ちます。
数年前にヤグレーザーを照射されシミがまだらになっています。

 
Qスイッチルビーレーザー照射の約10ヵ月後の写真です。
一点の曇りも無い状態がキープされています。

 
シミ治療にQスイッチルビーレーザーが最も有効なことは自明です。
患者さんもよく勉強されており、インターネットでルビーレーザーを検索され、
当院を受診されるかたもちらほらといらっしゃいます。
 
今回はケアについてお話します。
 
基本的にはレーザー照射から10日間は茶色のテープで患部を覆います。
洗顔、化粧ともこのテープの上からしてもらいます。
 
「えっ~、10日間もテープするんですか」、と驚かれる患者さんもいます。
テープ保護ができない人は治療をお断りしています。
 
不遜な言い方で申し訳ありませんが、私のポリシーなのであしからず。
 
テープ保護がお嫌いな方は「テープは要らないですよ」と言われるお優しい先生に
ヤグレーザーで適当にお茶を濁してもらってください。
そういう先生はたいてい長期のフォローアップをなさってくれません。
 
テープを剥がした後のケアについて。
 
ハイドロキノン軟膏を処方することもあります。その際は刺激が少ないものを処方します。
 
それでも炎症後色素沈着が出現した場合はどうするか?
 
放っておきましょう。3ヶ月くらいから薄くなります。
 
炎症後色素沈着が遷延する人がいるのも事実です。
炎症ですからいずれ消退します。
 
基本的にはテープを剥がした後は余計なことをあまりしない。
通常通りにお化粧をして必要以上に構わない。
 
これまでのレーザー治療で私が学んだことです。

ルビーレーザーについて しつこく再考

シミ治療について私はこだわっています。
 
葛西先生のように正しい理論を世に広めるのが心ある医師の責務と考えています。
 
44歳の女性です。老人性色素斑(いわゆるシミ)と隆起した老人性疣贅です。

 
中央部の隆起を炭酸ガスレーザー焼灼、周囲の色素斑をQ-ルビーレーザー照射するのが
オーソドックスな治療と思います。
 
この程度の隆起ならルビーレーザーのみでOKです。

 
中央の隆起部分はノーマルモードで照射するのがコツです。
この機種はQスイッチとノーマルの両方が選択できるのが素晴らしいところです。

 
Qスイッチは照射時間が20 nsec、ノーマルは200 μsec です。(sec=秒)
ノーマルはQスイッチの10,000倍の照射時間です。表皮への熱ダメージが強いので隆起性の病変を吹き飛ばすのに向いています。
 
10日後には病変はぺろりと取れます。
このタイプのシミは一回り大きく照射するのがコツです。

 
施術49日後です。1ヶ月を超えると発赤が静まってきます。
これなら本人も大満足ですね。

 
 
36歳、アメリカ西海岸に在住の女性です。
右頬部に濃淡のある色素斑があります。

 
日本には年に1回だけ帰省するとのこと。 アメリカで治療しないのですかと聞いたところ、
「先生、アメリカではシミの治療はまともにされていないですよ。向こうの人はシミを気にしないみたいです。化粧品もシミ隠しのよいものがなくて困っているくらいです。」
 
アメリカ、ヨーロッパではシミ治療は盛んではないです。
シワ、たるみに美容治療の主眼が置かれているようです。国民性の違いですね。
 
ダーモスコピーで病変を覗いています。
濃淡はありますが悪性黒子を示唆する所見はありません。

 
濃淡のある老人性色素斑。薄い部分から照射するのがコツです。
この部分で十分な白色変化(IWP)があればそのまま全体を照射します。

 
照射が終了しました。きれいになりますよ。

 
アメリカでインターネットで検索してSSクリニックを選んでくれたそうです。
感激です。 8月中旬にはアメリカに戻られます。
 
1回できっちりと治しますよ。 プロですから。
 
シミ治療はアメリカよりも日本です。
だから私は国産のThe Ruby Z-1(Q-スイッチルビーレーザー)を使用しています。
ニーク社のQ-スイッチルビーも評判いいですよ。次はニークかな~。

それでもルビーレーザー 

やっぱり大変ですわ~。
 
ルビーレーザーは大変デリケートな機械です。
定期的なメンテナンスが必要です。
 
レーザーメーカーの技術員さんに来てもらい、ルビーレーザーを分解してメンテナンス
してもらいます。まるっと2時間はかかります。

 
光軸のズレがないか、出力低下がないかなど細部までチェックします。

 
何かと大変なんですよ、ルビーは。
でもいいレーザーなんですよ。ヤグなんかとはものが違う。
高校野球と大リーグくらいの差かな。
 
大阪の師匠が言われていました。
ルビーレーザーを認知させるのに10年かかったと。
 
本当によいものでも偏った広告で正当に評価されないのが美容の世界です。
 
シミにはQスイッチレーザーが有効ですが弱点はあります。
扁平母斑、炎症後色素沈着と肝斑です。
 
この3つの治療は難しいです。
扁平母斑はレーザー照射しても高率に再発します。
炎症後色素沈着はレーザーでいったんは薄くなりますがまた再燃します。色素脱出を生じることもあるので要注意です。レーザー照射はしないほうが無難です。
 
肝斑はどうでしょう?
トップハット型のQ-YAGの空中照射がよいとの広告をよく見かけます。
 
本当ですか? エビデンスはありますか?
トラネキサム酸内服、トレチノイン外用と比べて有意差はありますか?
その治療で薄くなったとしてどれくらい効果がもつのですか?
 
肝斑には肌を擦り過ぎないスキンケアとトラネキサム酸の内服が基本ではないでしょうか。
 

スキンケア、トラネキサム酸の内服だけで効果が分かりにくい肝斑にトレチノイン軟膏を
処方することがあります。
 
SSクリニックの秘密調合室です(笑)。

 
トレチノインの欠点は刺激が強いことです。NOVさんからCD-トレチノインを納入しています。
環状オリゴ糖であるシクロデキストリン(CD)を調整、皮膚刺激を緩和した優れものです。
黄色のきれいな粉末です。

 
モイスチュアエッセンスと配合して濃度を0.025~0.05% にしています。

 
治療が難しかった炎症後色素沈着、肝斑によさそうですね。
さあ、どこまで効果が出るのか? またブログで紹介します。

Qスイッチレーザー 『不都合な真実』

私がレーザー治療に関わり始めたのは虎の門病院皮膚科に国内留学(平成11年~)したのがきっかけです。それから10年以上が経過しました。
 
その頃の虎の門病院には赤アザ用のダイレーザー、シミ用のルビーレーザー、Qスイッチ
アレキサンドライトレーザー、YAGレーザーがありました。
 
このブログで何度も書いていますが、虎の門病院の大原国章先生の臨床能力はとてつも
なく凄いです。手術以外にレーザー治療でも多くを学ばせてもらいまいした。
 
レーザー治療の中で強く感じたことがありました。
「太田母斑のようなアザ治療はアレキサンドライトレーザーも効果があるが、シミ(老人性色素斑)はアレキサンドライトレーザーよりもルビーレーザーのほうが効果が高い」。
 
このことは虎の門から名古屋大学皮膚科に帰局した後もずっと頭にこびりついていました。
 
大学にいる8年間、名東区の病院で週に一回、皮膚科の外来をしていました。
その病院にはQーアレキサンドライトレーザーがありました。
 
個人病院です。レーザー治療の対象はシミがほとんどです。
シミ治療は自費診療ですから金額も数万円単位と高額になります。
当然、患者さんはシミが跡形も無くきれいに取れると信じています。
治療結果は? よい結果もあり、よくない結果もある。
 
患者さんへ対応が大変でした。「必ずきれいにとれる保障はないですけどいいですね」と
何回も説得して承諾書まで渡してレーザー治療していました。
 
美容先進国アメリカではQ-YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーはタトーレーザーとして位置づけられていると知り合いの美容外科医から聞きました。
そうです。タトー(tattoo)刺青を治療するレーザーなのです。
たしかにQ-YAG(532nm)は赤色の刺青(いれずみ)を消すには必須です。
 
レーザーにはそれぞれの役割があるのです。
 
問い合わせの多いADM(両側性遅発性太田母斑様色素斑)について再考。
 
週に2人くらいの割合で外来初診で見かけます。想像以上に多いので驚いています。
開業する以前の私は鑑別ができていなかったのでしょう。 やぶでした、以前は。
 
なかにはエステに通って治療を受けている人がいます。
エステではADMはいくらお金をかけても絶対に改善しません。私が保障します。
Qスイッチレーザーしか効果がないのが医学的事実です。
 
ではQスイッチレーザーの中でどれが最も有効か?
 
葛西健一郎先生の名著「シミの治療」より抜粋します。
ADMの効果について点数がかかれています。
ルビー 95点、アレキサンドライト 70点、YAG 60点 となっています。
ヤグッ、がんばれ~。
 
波長はルビー 694nm、アレキサンドライト 755nm、YAG 1064nm です。
メラニンに最も吸収がよいのはルビーの694nm、深くまで進むのは波長が長いYAGの1064nmです。
 
ADMは太田母斑にくらべれば真皮に増生したメラノサイトは浅いところにあります。
だからこそ太田母斑のように青くはなく、灰色~褐色を呈するのです。
ADMを単純に太田母斑と同列に扱うのはナンセンスです。

「An Atlas of Surface Microscopy of Pigmented Skin Lesions」  より引用
 
私が言いたいこと。
ADMの治療で大切なのは波長+レーザーの照射時間ではないでしょうか?
 
Qスイッチレーザーの照射時間は、
ルビーが20ns、アレキサンドライトが50-100ns、YAGが10nsです。
 
葛西先生はルビーの波長694nm 照射時間 20nsが真皮メラノサイトを破壊するのにちょうどよいのではないかと推測しています。
 
真皮浅層で増生したメラノサイトをいかにたたくか。これが治療の鍵でしょう。
 
また話がずれます。
ADM、太田母斑にアレキサンドライトレーザーはそこそこ効果があります。
 
シミにはダントツでルビーが効きます。
 
私の知り合いの多くの形成外科医が同意しています。日本では皮膚科医よりも形成外科の先生がレーザー治療を積極的に行う傾向があります。
 
私の8年間のアレキサンドライトレーザーの治療経験、クリニックを開院してからの
トライバンテージ(Q&マイクロセカンドのアレキサンドライトレーザーとQ-YAGレーザーの
複合機)、メドライトC6(Q-YAGレーザー)の治療経験に裏打ちされた事実です。
私は自分の目で見た結果しか信用しません。
 
シミ治療の切れ味は機種ではなく、出力の問題に過ぎないと言われる先生もいるようです。
複数のQスイッチレーザーでの治療経験が少ないように思われます。
 
レーザー治療は理論が先行しますが、治療結果とギャップがあるのが普通です。
フォトRF治療のSRからSRAハンドピースの開発、フラクセルレーザーの進化などは
そのことを如実に物語っています。
 
ADMにルビーとYAGのどちらがより有効か?
私には断言するだけのYAGレーザーでのADM治療経験がありません。
 
以前にもこのブログに登場した患者さんを再度提示します。
頬部に小斑状の灰褐色斑があり、典型的なADMの皮疹です。

 
ルビーレーザーを1回照射して1年間がたちました。
治療は1回だけです。


 
1回の治療でここまで改善したらまずまずではないでしょうか。
これが私の答えです。
 
追伸
ブログ掲載を快く引き受けてくれたSさん本当にありがとう。
あなた方のようなSSクリニックの心強いサポーターがいるからこそ、私たちもここまで治療を追求して頑張れるのです。いい治療(自分が受けたい治療)を追求します!

Q スイッチルビーレーザー 【知る悲しみ】

開高 健先生の言葉を引用します。
 
「いい物を手にすると大きな悲しみも待っている。いわゆる知る悲しみだ」
「いったん知ってしまえば知らなかったときには戻れない」

 
さすが開高文豪、心に響く言葉です。
 
しみ治療にあたり、ルビー、YAG、アレキサンドライトの3つのレーザーを試しました。
始めはメンテナンス費の安いQ-YAGレーザーが購入候補でした。
 
しかし、切れ味が違うのですよ、ルビーは。
 
美容外科で照射された例のひと。

 
レーザーは効かないと半信半疑。説得して一つ照射。

 
信頼を勝ち得たところで、残りを照射。
しみが痂皮となってぺろりと取れるこの瞬間が私は好きです。

 
まだちょっと赤いです。遮光しっかりしてくださいね。

 
お化粧が楽しくなったと。よかったです。もっとなじみますよ。

 
Qスイッチルビーレーザーは大変デリケートな機械です。
年に4回ほどメンテナンスを受けます。年間100万円近くのランニングコストがかかります。
 

最初はQ-YAGレーザーを購入してお茶を濁そうと思いました。
肝斑にはYAGの空中照射ですよ~、なんて商売っ気をだして稼ごうかとも思いました。
 
でもルビーの切れ味を知ってしまうと・・・。
 
知る悲しみです。
この機械、金かかんな~、と悲しい時もあります。
 
そんな時は文豪の言葉で慰められます。
「知らない悲しみよりも知る悲しみのある人生のほうが高級だ」。


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