美容医療コラム
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  1. 結果に差が出るかも知れない
    多血小板血漿(PRP)注射のこだわり
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結果に差が出るかも知れない
多血小板血漿(PRP)注射のこだわり
結果に差が出るかも知れない<br>多血小板血漿(PRP)注射のこだわり

PRP

2019.10.31

新時代のエイジングケア治療として、認知が広がっている多血小板血漿(PRP)美容法。当クリニックをはじめ、多くの美容皮膚科や美容クリニックで行われていますが、医療機関によって注入する成分や注射の方法はそれぞれ異なります。
例えば当クリニックでは、侵襲をより少なくして、きめ細やかにPRPを注入するために、注射針の細さにこだわっています。32G(ゲージ)という極細の注射針はヒアルロン酸注入では使えないほど細く、痛みの負担を減らすように配慮しています。
今回は、当クリニックのPRP注射のこだわりについて解説します。

  1. 多血小板血漿(PRP)美容法とは
  2. W-PRPの精製方法
  3. 注射器具のこだわり
  4. 注入方法について
  5. ドクターコメント

多血小板血漿(PRP)美容法とは


PRP美容法は、ご自身の血液中にある多血小板血漿(PRP=Platelet Rich Plasma)を濃縮・調整して、肌の加齢部分に注射で注入し、衰えた肌の機能を回復させることを目的とした治療です。
PRPから放出されるさまざまな成長因子が、細胞に働きかけ、加齢で衰えた組織を修復したり、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの生成に寄与します。自然治癒力を利用したエイジングケアであり、年齢を問わず受けられることが特長です。

当クリニックでは、PRPの濃縮率を従来の3~5倍に高めて、少量の白血球と赤血球を残した「W-PRP」を使用しています。PRPと白血球の相互作用によって、これまでのPRP美容法より自然治癒力と組織再構築力の向上が図られました。

PRP美容法は、再生医療として国に認定されている治療になります。再生医療を行うには、再生医療等安全性確保法に基づいて国に届出を提出し、認可を受けなければいけません。当クリニックのPRP美容法も、再生医療第3種の提供計画書を提出し受理されています。(再生医療第3種 計画番号:PC4150021)

W-PRPの精製方法


W-PRPとは高濃度の血小板に白血球を残したものです。治療には、患者の方から採った血液を精製したW-PRPを使用します。
採血は、なるべく太い血管から行います。細い血管から採血すると、凝固活性が早まってしまう場合があり、結果に差が出てしまうからです。

血液は、遠心分離機を用いて精製されます。精製の方法には、遠心分離機で1回廻す「1回転法」と、2回廻す「2回転法」があり、当クリニックでは「2回転法」を採用しています。
血小板の濃度は、薄すぎると効果が現れにくく、濃くなりすぎるとしこりの原因にもなります。適切な濃度にするためには「2回転法」が適していると考えられます。

また、W-PRPには少量の赤血球を残します。これは、赤血球には軽度の組織破壊能力があり、シワ部分の構築を一度破壊することで、肌の再生進行を図りやすくする役目があると考えられているためです。

一連の作業時には滅菌手袋を着用し、微生物に汚染されないように、清潔操作が行われています。

注射器具のこだわり


W-PRPを注入する注射器にもこだわりがあります。エイジングケアを行うための注射器と、育毛を行うための頭皮用の注入器について説明します。

エイジングケアを行うための注射器具

32G(ゲージ)という、直径が約0.2mmの極細の針を使います。
W-PRPは、効果が肌全体になめらかに現れるように、1本のシワでも3〜4箇所に細かく注入します。32Gの針で注入すると、刺すときの痛みを軽減することができるほか、傷口も小さいため早い回復が見込めることや、術後に傷口がシミになりにくいというメリットがあります。
ヒアルロン酸注入にはこの針は使用できません。ヒアルロン酸は粘度があり、粒子が大きいため針の中で成分が詰まってしまう恐れがあるからです。一方、W-PRPは血液成分のためサラサラしており、極細の針で注入が可能です。

育毛を行うための頭皮用の注入器

頭皮に成長因子や栄養を届けるために、クリニックでは注射によるW-PRPの注入を行います。3ヶ月、間を開けての2回注入をおすすめしています。
通常の注射針で行うと、治療を続けることができない方がでるほど、痛みを強く感じる場合があります。また炭酸ガスのメソガンを使用した場合、毛根が肌の奥深くにあるため、届きづらいといったデメリットがあります。
そこで、針がミシンのように一定間隔で細かく動き、W-PRPを毛根近くまで届けるメソセラピー機器を使用することが多いです。麻酔を使用しなくても痛みを感じにくく、的確な深度でW-PRPを皮内に注入することが可能です。

注入方法について

W-PRPを深い箇所に注入すると、太い血管により成分が流されてしまう心配があります。また浅い層に注入するとしこりになるリスクがあるため、当クリニックでは、皮膚と脂肪層の境界に注入しています。
注入後には、必ず注入部位をマッサージして、PRPが均一に広げます。こうすることで、しこりのない滑らかな仕上がりを目指すことができます。

ドクターコメント

Doctor comment
ドクターコメント

ヒアルロン酸注入もそうですが、エイジングケア治療に注射をつかう治療は、痛みを気にされる患者の方が多くいらっしゃいます。
当クリニックでは細い針を使う以外に、治療前に麻酔クリームを塗ることで、痛みに配慮しています。また、それでも気になるという方には神経ブロック注射を併用し、無痛の状態で受けていただくことができます。
注射器や成分、注入方法などにこだわることで、リスクを回避してW-PRPの効果を高める治療を目指しています。

この記事の監修

SSクリニック 柴田真一 院長

プロフィール
経歴
平成6年 岡山大学医学部卒業
社会保険中京病院(臼田俊和 部長)
虎の門病院(大原國章 部長)に勤務
平成12年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 助手
平成16年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 講師
平成20年 皮ふ科SSクリニック(現在 SSクリニック)開院
所属学会・資格
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本皮膚外科学会
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本皮膚外科学会評議員
日本アンチエイジング外科美容再生研究会 認定医
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