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診療だより

粉瘤

  • 粉瘤くり抜き法「三種の神器」 -鏡その1ー

    2020-06-06 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

     
     だいぶ普及してきましたね。
     
     えっ、なんのことか?
     
     そう、「粉瘤くり抜き法」のことです。
     
     SSクリニックの柴田がブログ、学会、書籍で全国に普及させました(?)
     
     若い先生がたもチャレンジしているようです。
     それ自体は喜ばしいことです。
     
     
     名古屋では粉瘤くり抜き法に手を出す美容外科医が増えています。
     なぜか再発が多いですね (涙)
     
     再発が多い美容外科に電話して病理組織標本の件で問い合わせした
     ことがあります。
     
     標本は自分の目では見ていないのでよくわからないと・・・
     
     そりゃあ、だめでしょう。
     手術がまったくフィードバックできていない。
     
     だから再発を繰り返すのでしょう。
     
     粉瘤といえど患者さんにとっては自分の体をあずける大切な手術。
     執刀医は万全の体制で手術に取り組むで欲しいですね。
     
     
     「粉瘤くり抜き法」、簡単なように見えて、実は奥が深い手術です。
     
     
     私が粉瘤くり抜き法で心がけている三種の神器を紹介します。
     絶対、内緒にしてくださいね (笑)
     
     三種の神器とは鏡、剣(つるぎ)、玉(たま)のことです。
     
     今回は鏡について。
     
     粉瘤くり抜き法における鏡は無影灯(むえいとう)です。
     手術室で使う大きな灯りです。
     
     私はドイツのベルヒトールド社製を愛用。

     
     
     多灯式の無影灯が日本では主流ですが、私は上の単灯式が好きです。
     光のムラが少ないからです。

     
     
     粉瘤の袋は皮膚にくっついています。
     小さな穴から袋を全部取るには明るい光が必要です。
     
     今回協力いただいたのは46歳の女性です。
     この場をお借りして深謝いたします。
     
     頚部の粉瘤です。初診時にはすでに赤くなり炎症を併発。

     
     
     エコー検査でも粉瘤の袋はぐちゃぐちゃになっています。
     (LOGIQe 22MHzプローブ使用)

     
     
     悩みましたが、その日に緊急手術です。

     
     
     炎症を生じた粉瘤は袋が周囲と癒着して剥がすのがたいへんです。
     袋を少しでも残すと再発します。
     
     無影灯の光であけた穴を360度しっかりと確認。ここがキモです。
     時計5時方向に袋の残骸を確認、追加切除します。

     
     
     摘出した粉瘤の病理組織像です。


      
     
     これで安心です。
     粉瘤はもう再発しないはず。
     
     診察室の簡易ベッドで手術を受けて再発した人が当院に来られます。
     再発しない「くり抜き法」手術に無影灯は必須です。
     
     
     クリニックに1台無影灯、無影灯!
     
     
     手術室のあるクリニックでくり抜き法を受けられることをお勧めします。

     
     
     というわけで、今回のテーマがくり抜き法「三種の神器」
     鏡=無影灯 でした。
     
     次回はもう一つの鏡、医療ルーペを紹介する予定です。

     

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