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汗管腫の新しい治療 - Queen bee –
2019-06-06 UP! カテゴリー:その他, 診療だより
眼瞼のプツプツしたできもの、それが汗管腫です。
なぜか女性に多いです。
数が少なければ気になりませんが、増えて癒合するととても気になります。
今まではレーザーで削っていました。
確実な方法ですが、テープを1週間ほど貼る必要があるため、治療を踏み
とどまるかたも多かったことと思います。
令和元年より画期的な新しい治療法を導入しました。
Queen beeと呼ばれるこの治療法は極細の医療針を用いる電気凝固法
Needling electrocoagulation(NEC法)です。
1回の治療でかなり改善するかたもいますが、2~3回の治療を要する場合もあります。
治療して1ヶ月後くらいより汗管腫が小さくなっていきます。
3~6ヶ月で効果が見えることが多いです。
最大のメリットは皮膚を削る治療ではないためテープが要らないことです。
汗管腫の治療はとても難しいとされています。
一つの丘疹に無数の腫瘍細胞が集まっていることが理由の一つです。
38歳の女性の治療経過を報告します。ブログに協力くださりありがとうございます。
両側の上下眼瞼に生じた汗管腫です。
左眼の黄色の線の部分のみレーザー治療、他はQueen bee法で治療しています。
【右眼瞼】 治療前(左)と治療2ヶ月後(右)
汗管腫のプツプツが小さくなったことがわかります。3ヶ月以降でもう少し小さくなります。
【左眼瞼】 治療前(左)と治療2ヶ月後(右)
左眼瞼内側の黄色い線の範囲はレーザー治療で削りました。
写真を見て分かるようにレーザーで削った部分とQueen bee(針電気凝固法)で治療した部分の
治療効果がほぼ同等な(むしろQuee beeのほうがよい?)ことが分かります。
汗管腫を治療したいがテープのために躊躇していた方にとても適した治療法です。