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診療だより

レーザー脱毛の記事一覧

  • 第111回 日本皮膚科学会総会 その二

    2012-06-03 UP!     カテゴリー:レーザー脱毛, 診療だより

    6月3日はモーニングセミナーで講演させてもらいました。
    演者は葛西健一郎先生と私の二人です。
     
    朝8時からの開始なのでどれだけドクターが来るのだろうか不安でした。
    いざ開始したらびっくりです。立ち見まで出る大盛況でした。
     
    さすが葛西先生のネームバリューです。
     
    実はこのモーニングセミナーは私もかなり楽しみにしていました。
    葛西先生が講演された「レーザー脱毛の再検討~難しい部位でも安全に永久脱毛を~」
     
    皮毛角(毛髪と皮膚の角度)が脱毛の大きな要因であるにも関わらず、今まで
    あまり検討されてこなかったことなど興味深い話が多かったです。
     
    脱毛に関しては毛母細胞よりもバルジ領域(立毛筋の付着する膨大部)外毛根鞘
    最外側の表皮幹細胞(stem cell)へダメージを与えることが重要とされています。

    Asclepion社 学術参考資料より引用
     
    そのためにはある程度長い照射時間でレーザーを照射する必要があります。
    その実際のパルス幅(照射時間)についての検討がありました。
     
    具体的なパルス幅については割愛させて頂きますが、メーカーサイドの資料より
    広い時間を推奨されていました。
     
    このような生きた知識は講演会などでしか聞く機会がないので大変貴重です!
     
    しみ、アザ、脱毛に関する葛西理論は卓越しています。
     
    私も脱毛治療に関してエンジンアップする時期に来ていると考えています。
    本気でやりますよ。

  • たかが脱毛、されど脱毛。

    2012-05-08 UP!     カテゴリー:レーザー脱毛, 診療だより

    レーザー脱毛についていろいろと考えさせられます。
     
    メラニンを含有している毛に可視光のレーザーを照射すると、レーザーの熱エネルギーが毛から毛嚢に拡散し、
    毛嚢に存在するfollicular stem cell を破壊することで脱毛が生じます。
     
    follicular stem cell は外毛根鞘性の最外層に存在しているので、レーザーの照射時間はある程度長い
    ほうがよいのでしょう。

    (スキルアップ 皮膚レーザー治療 中外医学社より引用)
     
    メラニンを有している毛のthermal relaxation time は大体40~100msec、表皮は3~10msec、
    レーザーによる脱毛のパルス幅(照射時間)は10~50msec が理想的とされています。
     
    このパルス幅では表皮の熱変性の方が強くなるので、表皮を冷却する装置が必要です。
     
    日本で一番普及しているレーザー脱毛はキャンデラ社のGentle LASE でしょう。
    たしかによいレーザーです。
     
    このレーザーは波長が755nm、パルス幅は3msecです。
    パルス幅がやや短いのが気になります。これではうぶ毛脱毛は難しいのでは?
     
    私はフォトRFによる光脱毛(レーザー脱毛と謳っている先生がいますが大変な間違いです)をしていました。
    光脱毛は効果にかなり限界があります。ずっと悩んでいました。
     
    光脱毛(フラッシュランプによる脱毛)で毛のバルジ領域まで光エネルギーを届かせるのは難しい。
    皮膚の表層に熱がこもる印象があります。だから熱傷のリスクが高いのです。
     
    葛西健一朗先生、北野幸恵先生にレーザー脱毛をこんこんと教えて頂きました。
    関西、関東を代表するこのお二人には今でも深く感謝しています。
     
    葛西先生は言いました。
    「オレはどんな毛が来ても、すべて脱毛してやるつもりで脱毛機械を全て入れ替えたんだ。」
     
    その影響でサイノシュアーElite MPX を購入しました。波長は755(Alex)と1064(YAG)nm
    Alex、YAGともに0.5~300msec のパルス幅を選択することができます。 これは凄い!

     
    その他の特徴としてYAG⇒Alex、Alex⇒YAGの連続コンビネーション照射が可能。
    このMPX(マルチプレックス)照射でYAGの照射痛を軽減することができます。
     
    ワキ、前腕、下腿はAlex、口囲、ビキニラインはYAGを好んで使用しています。
    うぶ毛はどうしても熱エネルギーは多く照射しないと効果がありません。
    表皮への負担が少ないYAGがより適しています。
     
    光脱毛で効果が無かったワキ脱毛をレーザー脱毛します。(写真は左ワキです)

     
    光脱毛はあくまでも美容器を使った脱毛にすぎません。レーザー脱毛は医療機による脱毛治療です。
    美容器と医療機、この違いが分かりますか?
     
    毛に発赤反応が生じ、微妙に毛がポップアウトするくらいがよいです。

     
    毛周囲への発赤がないと効果が弱い、かといって毛が抜けるくらい強く照射するのもまずい。
    このさじ加減が脱毛治療では重要ですね。
     
    シミ治療、脱毛治療は結果がはっきりしているので誤魔化しがききません。
    これからもリアルな治療を追及します。

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