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診療だより

皮膚腫瘍の記事一覧

  • 脂肪腫 season 3 DEEP なやつ

    2010-03-25 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    前額の脂肪腫は深いです。
     
    なぜか前頭筋の下で前頭骨の骨膜に接して局在しています。
     
    おでこの脂肪腫摘出にはちょっとしたコツがあります。
    それほど大したものではありませんが。
     
    素敵なミセスの左前額のしこりです。こりこりとして気になるようです。

     
    まずは皮膚エコーですね。
    脂肪腫は粉瘤と比べると内部エコーが高いです。骨膜の上にmassが局在しています。

     
    ここで「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery」分光堂から引用します。
     
    前額のシワの方向(横方向)に沿ってメスをいれます。

    前頭筋は縦方向に走行しているので、縦に筋層を切開します。

     
    実際の手術写真です。脂肪腫に下から押されて前頭筋が膨れています。

     

    縦に切開した前頭筋の間から脂肪腫を引きずり出します。骨膜からていねいに剥離するのがコツです。

     
    摘出した脂肪腫です。

     
    吸収糸で筋層を縫合、真皮縫合します。

     
    術後13日目です。
    左前額のキズがわかりますか?まだちょっと赤いですね。
    もう少し時間がたてばほとんど目立たなくなると思います。

     
    脂肪腫はキズが小さくなるようにsqueeze法(もみ出し)で摘出したいのですが。
    前額の脂肪腫は筋層の下で骨膜とがっちりと癒着しているのでsqueeze法は無理です。
    内視鏡で摘出する方法を形成外科の雑誌で読んだことがあります。
    そこまではちょっとね・・・。
     
    参考文献
    「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery の実際」分光堂 p.275
    23. 脂肪腫 田村敦志

  • 脂肪腫 season 2

    2009-04-29 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    脂肪腫で当院を受診された患者さまからよく言われることがあります。
    どの科を受診すればいいのか分からない。外科なのか整形外科なのか?
     
    皮膚科で手術してくれるとは思わなかった・・・
     
    私は勤務医時代から脂肪腫の手術も数多く手がけてきました。
    その時の経験で感じたことがあります。
     
    ①脂肪腫は頭、後頚部、背、肩、下腹部、前腕によく見られる。
      その中でも肩、下腹部の脂肪腫は大きく育っていることがある。
    ②背部の脂肪腫を摘出すると肩こりの軽減を感じる人がいる。
    ③臨床的に脂肪腫と思っても病理組織検査で脂肪肉腫と診断されることがまれにある。
     
    脂肪腫は良性腫瘍です。
    しかし大きくなると整容的に具合が悪いので肩、下腹部の脂肪腫は早期に摘出するようにしています。
    皮膚科医として脂肪肉腫(間葉系のがん)を見逃すことは許されないので全例を病理組織検査
    提出しています。
     
    当院で行う脂肪腫の治療を供覧します。
    脂肪腫の摘出術を受けたい患者さんに治療のイメージをお伝えすることができれば嬉しいです。
     
    左鼡径部(股の付け根)の脂肪腫です。触ると柔らかい腫瘍です。

     
     
    大きく切開して摘出するのが一般的です。しかし私は皮膚腫瘍のプロフェッショナルです。
    傷を最小にすることをいつも心がけています。腫瘍の中央に11番メスで小切開を加え、
    揉みだして腫瘍を露出させてます。(上の写真と向きが違います)

     
     
    摘出した検体です。なんともかわいらしい形ですね。

     
     
    傷はわずか5mm程度です。創は何ミリまで縮小できるのか?
    限界にチャレンジしたいですね。

     
     
    真皮縫合を丁寧に行うので創はほとんど目立たなくなります。
    手術の所要時間は15分くらいです。

     
     
    左肩の脂肪腫です。かなり大きく手強い症例です。肩の脂肪腫は下の筋膜と癒着していることが
    多く切開を大きく取らざるを得ないです。しかし、本心では最小切開で摘出したい。
    特に肩関節付近は術後に創が瘢痕ケロイドとなりやすいのです。

     
     
    このような症例で心強い武器が皮膚エコーです。LOGIQ Book XPの出番です。
    脂肪腫の末梢側(肩関節と反対方向)は筋膜と癒着がなさそうです。
    (黄色の矢印が筋膜です)

     
     
    肩関節付近の脂肪腫は筋膜と癒着がありそうです。癒着があるかどうかは肩を動かしてもらい
    腫瘍と筋膜との引きつれの有無で判断します。黄色矢印の筋膜が引きつれています。
    こうして術前のエコー検査で腫瘍の三次元的なイメージを頭にインプットします。

     
     
    肩関節方向には傷を伸ばしたくないので腫瘍の中央部にのみ切開します。
    周囲を揉むと脂肪腫が飛び出てきました。

     
     
    ここからがポイントです。
    スーパーメッチェンで周囲を剥離します。出血しないようなるべく鈍的に剥離を進めます。

     
     
    皮膚エコーの情報を参考にしながら腫瘍の底面を指で鈍的に剥離します。
    この指での剥離はとても有効です。院長のゴールドフィンガーの出番です。

     
     
    脂肪腫がどばっと出てきました。

     
     
    露出した左肩の三角筋です。指で鈍的に剥離したため筋肉には損傷がありません。

     
     
    ずいぶんと大きな脂肪腫ですね。これだけ大きいと病理組織検査で脂肪肉腫と鑑別することが
    大切です。今までは脂肪腫のためカッターシャツが着づらかったとのことです。
     
    これでもう大丈夫です。 写真は脂肪腫の表側と裏側です。


     
     
    腫瘍の治療で最も大切なことは腫瘍の完全摘出です。できれば傷も小さいとよりいいですね。

     
     
    脂肪腫は皮膚良性腫瘍です。腫瘍なので少しずつ大きくなります。
    邪魔になり腫瘍が気になりだしたら治療を受けるタイミングだと思います。

  • 皮膚腫瘍摘出術 -私の考え-

    2009-03-20 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    皮ふ科SSクリニックには皮膚腫瘍の手術を目的に多くの紹介患者さまが来院されます。
    皮膚腫瘍摘出術において重要なことは
    ①皮膚腫瘍の完全摘出
    ②手術の傷を目立たないようにする(特に顔面)

    この2点に留意します。特に①の完全摘出が最も大切と私は考えています。
    摘出が完全でない場合、腫瘍は再発します。その際に創部は瘢痕となっているため初回手術にくらべて摘出がずっと困難になります。初回手術が最も大切なのです。
    完全摘出できているかどうかは病理組織検査で確認することができます。
    皮膚腫瘍は必ず病理組織検査を行う病院で受けてください!!

    皮膚腫瘍の摘出にメッチェン(手術用のハサミ)を使う先生もいますが私はメスを好んで使用しますメスで腫瘍を摘出する際に腫瘍の形態がメスを持つ指先に触感として伝わります。この感覚こそが腫瘍摘出の際に私が最も大切にしているものなのです。

    メスはディスポーザブルのプラスティック製ものもありますが私は金属製のメスホルダーを使用しています。金属ホルダーの重さを利用して腫瘍を摘出します。
    メスホルダーはFEATHER (日本製)、Swann-Morton (英国製)の2種類を使い分けます。Swann-Morton社製ホルダーのほうが重量があります。またそれぞれのメス刃の形も微妙に異なります。
     
    写真上の金色のホルダーがSwann-Morton、下の銀色がFeather社 のメスホルダーです。

     
    Swann-Morton社のメス刃(写真上)のほうが形がシャープです。

     
    メスホルダーの重さを利用して組織を切ります。

     
    繊細な操作はメスを立たせてメス刃の先端を使います。

     
     
    実際の症例を4つ(粉瘤、外毛根鞘性嚢腫、脂肪腫、腱鞘巨細胞腫)提示します。
     
    腰部の再発性粉瘤です。スキンフックで検体を引き上げメスで嚢腫壁を露出させます。

     
    摘出した検体です。嚢腫壁がきれいに取れています。余分な組織はついていません。

     
    頭頂部の外毛根鞘性嚢腫です。メスで切り開いていきます。

     
    ひょうたんのようなめずらしい形ですね。きれいに取れています。

     

    後頭部の脂肪腫です。脂肪腫は周囲の皮下脂肪と境界が分かりづらいことがあります。
    このような症例こそメスが大切です。メスで脂肪腫と帽状腱膜をていねいに剥離します。

     
    脂肪腫は完全に摘出されました。相変わらずいい仕事していますね(笑)。

     
    手術直後の創です。時間が経過すれば傷はほとんど目立たなくなります。

     
    腱鞘巨細胞腫の症例です。指にできやすい腱鞘(腱を被う薄い組織)由来の腫瘍です。
    (この症例のみ私が名古屋大学医学部附属病院時代に執刀したものです)

     
    腱鞘をメスで腱から除去しながら腫瘍を摘出します。このような操作はメスが最適です。

     
    関節の拘縮を防ぐためS字に皮膚切開しています。再発しやすい腫瘍なので術後5年間
    経過観察しました。もちろん再発なしです!! これが本当の皮膚腫瘍摘出術です。

     
    写真は唐招提寺の千手観音立像の指です。やわらかく慈愛に満ちた指ですね。
    こんな指になりたいと思いながらメスを握る日々です。

  • 脂肪腫、石灰化上皮腫の手術

    2008-12-22 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    私はメスを握る皮膚科医です。
    皮ふ科SSクリニックには手術を目的として数多くの患者さまが紹介されてきます。
    その中でも粉瘤(ふんりゅう)は横綱です。
    粉瘤と間違いやすい皮膚腫瘍として脂肪腫石灰化上皮腫があります。
    今回はこの2つの疾患について述べてみたいと思います。

    脂肪腫は粉瘤よりやわらかく、石灰化上皮腫は碁石様に硬く触れることより鑑別できます。
    触診が診断の基本です。皮膚外科医の指はまさにセンサーの役割をします。

    なぜ鑑別診断が必要なのか?それは手術法が異なるからです。
    粉瘤はくりぬき法もしくは皮膚を含めて切除します。脂肪腫、石灰化上皮腫は皮膚切開のみで腫瘍を摘出します。実際の症例を供覧いたします。
     
    右腰部の脂肪腫です。通常は腫瘍全体の大きさの半分以下の切開のみで摘出が可能です。皮膚を切開した後に揉みだして脂肪腫を取り出します。

     
     
    2cm以下の傷です。真皮縫合もきっちりとされているので傷跡が目立ちません。
    これなら患者さまも大満足ですね。

     
     
    右眉毛内側の皮膚腫瘍です。粉瘤の疑いで紹介されましたが触診から石灰化上皮腫を疑いました。結婚前の若い女性です。傷を残すわけにはいきません。

     
     
    眉毛の辺縁のラインを利用して皮膚切開します。白い腫瘍を丁寧に取り出しました。

     
     
    術後1週間。抜糸直後の写真です。すこし発赤がありますが傷は目立ちません。
    院長相変わらずいい手術してますね(笑)。

     
    手術の傷跡を目立たなくするには最小切開、ランドマーク(眉毛、鼻、口唇など)を上手く利用することが大切です。
    やはり皮膚腫瘍は手術に慣れた皮膚外科医が執刀するのが一番です。

    皮膚腫瘍はほぼ全例を病理組織検査に提出します。診察、手術、病理組織検査、抜糸など全て保険診療です。
    皮ふ科SSクリニックにお気軽にお立ち寄り下さい。
    ちなみにSSは皮膚外科手術 Skin Surgeryが由来です。こだわっています。
     
     
    (写真はいずれも個人情報保護法に基づき患者さまの承諾を得ています)

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