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診療だより

診療だよりの記事一覧

  • 粉瘤くりぬき法 -傷痕を探せ!-

    2014-04-05 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    ブログに協力して頂いた患者さん、ありがとうございます。

    33歳の素敵な女性です。

     

    これはいただけません。

    素敵な女性が、頬にこんな大きな出来物をつけておくのは、
    忍びないです。

    当院を受診する前に、名古屋市郊外の総合病院形成外科を
    受診されたそうです。

    神経があるところだから、放置したほうがよいと言われた、と。

    またまた、理解不能です。

    エコー検査です。
    両外側陰影、底面後方エコーの増強など粉瘤にcompatible な所見です。

     

    さあ、どうするか。SS がやるしかないでしょう。

    粉瘤のヘソが、下のほうにあります。

     

    ヘソを4mm トレパンでくり抜きます。

    粉瘤の内側を指で外側に押し寄せます。
    こうすることで、ヘソが中央にシフトしてくれるのです。

     

    何気にやっているようで、いくつかのポイントがあります。

    粥状物をしっかりと揉み出してから、嚢腫壁を取り出します。

     

    くり抜き法の傷痕が知りたい。

    そのような問い合わせがよくあります。

    久しぶりに、患者さんがお見えになりました。
    良い機会なので、術後の経過を提示します。

    手術してから、1年5ヶ月です。

    再び、術前の写真です。

    さあ、傷痕はどこでしょう? これが皮膚外科医の実力です。

    今回のタイトル、傷痕を探せ!

     
     【注 意】
    粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) について -再考-

    2014-03-26 UP!     カテゴリー:ADM(ルビーレーザー), 診療だより

    数年前、このブログでADM(後天性真皮メラノサイトーシス)について、
    記載したことがあります。

    10代後半より、両側の頬に出現する色素斑です。
    前額、下眼瞼、鼻に生じることもあります。

    両側性遅発性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。

    想像以上に頻度が高い色素斑です。

    ひと月に数例は治療しています。

    治るのか?

    適切な診断、適切な治療で治ります。

    ブログに協力した頂いた患者様に心より感謝します。

    初診時、31歳の女性のかたです。
    高校生の頃より、両側に褐色斑が出現しました。

    どこの病院にいってもシミと言われたそうです。

    右下眼瞼から頬にびまん性に広がる褐色の小班。

     

    左頬にも同様の褐色小班が広がります。

     

    鼻翼にも褐色小班が見られます。

     

    若い女性です。これは気になりますね。典型的なADMです。

    このような典型例を肝斑と診断、あるいはシミとひとくくりにされ、レーザートーニング
    されてしまう症例が後を絶ちません。

    ADMに対して、レーザートーニングはまったく意味がありません!!

    美容皮膚科医よ、診断能力を高めてください。

    治療はQスイッチルビーレーザーがゴールデンスタンダードです。
    1回の照射治療で70%くらい薄くなります。

    論より証拠。経過を提示します。

    照射治療22日後です。もっともつらい時期です。
    炎症後色素沈着が強く出現する時期です。照射法に一工夫あるのが分かりますか?

     

    炎症後色素沈着は必ず消退します。
    炎症後色素沈着を恐れて、低出力で照射すると、効果が落ちます!

    照射治療して1年3ヶ月後です。完全ではないですが、薄くなっています。

    治療前。

     

    左頬、照射治療して1年3ヵ月後。

    治療前。

     

    照射治療後の左鼻翼。

    治療前。

     

    こんな感じです。

    この患者さんは完璧に取りたい希望が強く、2回目のレーザー照射を予約されました。
    きれいになりますよ。

    葛西健一郎先生が言われた言葉が記憶に強く残っています。
    「俺はADMで2回より多く照射したことがない。平均1.5回だ。それで取れる。」

    最初は、??と思いました。

    なぜなら、藤田保健衛生大学皮膚科のA先生が、東海地方会でADMの治療について、
    治療の平均回数4回と発表されていたからです(Q-アレキサンドライトが使用)。

    私の今までの治療経験です。
    ADMは実は治療効果がすごく高い。1回での満足度もかなり高い。

    どうやら、葛西先生と同じ結論に落ち着きそうです。

    治療回数を減らすコツは、Qスイッチレーザーの選択と適切な出力です。

  • 肝斑 -その類縁疾患-

    2014-03-18 UP!     カテゴリー:しみ フォトRF, 診療だより

    色素斑(シミ)の治療は、ほんとうに奥が深いです。

    ときどき、気が遠くなることもあります(笑)。

    当院のブログに協力くださり、誠にありがとうございます。

    76歳の女性の方です。

    当院を受診される5ヶ月前より、両頬に色素斑が出現。

    某市民病院皮膚科で生検を受け、色素沈着と診断。

    某美容皮膚科クリニックでビタミンC導入などを受けるが、変化ないため
    当院を受診されました。

    美容皮膚科で毎回、化粧品を勧められ、その金額が1回で3万円くらい
    するのに嫌気が差したのが、本当のところのようです。

    初診時の写真です。右頬。

     

    左頬。濃淡のある褐色色素沈着がまだらに広がっています。

     

    正面の写真はお出しできませんが、前額、口唇周囲にも色素沈着が目立ちます。

    診断はなにか? そして最適な治療法は?

    これは難しいです。

    患者さんのお話によると、日常でかなり強く顔を擦っていると。
    肝斑に類似した疾患を考えます。

    色素斑のダーモスコピー所見です。色素が網目状の分布を呈しています。

     

    色素斑の経過、患者さんのスキンケア習慣、臨床・ダーモスコピー所見などから、
    葛西健一郎先生が提唱される「肝斑類縁疾患・頬外側型色素沈着」と考えました。

    商売上手なJMEC社と組んで、Qスイッチヤグレーザーを購入して、レーザートーニングで
    一儲けしようと思ったこともあります。臨床医としてのプライドが許せませんでした。

    治療はスキンケア指導につきます。

    絶対に擦らせない。
    不適切な化粧品、摩擦などの炎症が関与していることが多いようです。

    慢性炎症が関与しているので、弱いステロイド軟膏の外用が有効なことがあります。

    <この症例への私の治療>
    徹底したスキンケア指導、トラネキサム酸500mg内服、ロコイド軟膏とプロペトの1:1混合
    外用。

    1ヶ月毎に、外来を受診してもらい、厳しく肌をチェックします。

    治療して1年が経過しました。

    治療前の写真。

     

    左頬です。

    もう一度、治療前の左頬。

     

    まだ治療の途中ですが、患者さんの表情に笑顔が見られるようになってきました。

    肝斑治療の目安が1年~1年半。
    このタイプの頬外側型色素沈着は、肝斑の倍の2年~3年を目安にしています。

    もちろん、高額なお化粧品を売りつけたりしません(笑)。

    ハイドロキノン軟膏を処方したことがありますが、刺激が強く使用できませんでした。
    この症例は、いたずらに外用剤を処方しないほうが無難なようです。

    患者さんは生きた教科書であり、患者さんから医師は臨床を学びます。

    今回のような患者さんが、名古屋で竹の子のように増えた美容皮膚科を受診すれば、
    どんな治療を受けることでしょう?

    診断をつけてもらうことはないでしょう。
    「シミですね。はい、とりあえずなんかレーザーしましょう。セットがお得です。
    バリューセットがあります(マックかよ?)。ついでにお化粧品もどうですか。」

    こんなノリでしょう。

    Gentle LASEによるレーザーフェイシャル、Med Light C6によるレーザートーニング
    いつまでも、こんなことをしていて、よいのでしょうか?

    トーニングが本当に意味をなすのか、私には分かりません。

    患者さんにとってbetter な治療を、患者さんといっしょに考えていきたいですね。

    最後に。
    この症例の治療について、多くのアドバイスを頂いた葛西形成外科 葛西健一郎先生に
    深謝いたします。

  • 粉瘤 -皮膚外科で治す-

    2014-03-12 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    しつこく、粉瘤について。

    ブログに協力して下さった患者さまに、心より感謝します。

    21歳のギャルです。
    2年前より、左頬にしこりが出てきたと。

    口を膨らませると、このような感じに盛り上がります。

     

    1年前に地元の市民病院形成外科を受診。
    悪いものではないので、放っておけばよいと。

    ちょっと無責任すぎませんか・・・。

    放置しても、なくなることはありません。
    どんどん育つか、化膿するか。

    どちらも嫌です。

    平成26年2月初旬に、当院を受診されました。
    粉瘤は深く、咬筋を圧迫しています。

     

    当院で行っている、くりぬき法について説明しました。
    なかなか話がかみ合わず、残念ですが、その日は物別れ。

    このようなことが、時々あります。
    1週間後に再診されました。

    当院を受診したすぐ後に、某大学病院形成外科を受診。
    傷痕のことを、いろいろと言われたそうです。

    ご本人がくりぬき法についてお話したところ、それをやっている病院で
    治療を受けたほうがよいと。

    なんのこっちゃ(笑)。

    くりぬき法は粉瘤のヘソをダイレクトにくり抜くことが大切です。

     

    余談ですが、メスでまともに切除縫縮したら、大きな傷になりますね。
    若い女性の顔に、大きな傷をつけたくはありません。

    4mm トレパンでくり抜き、しっかりと粥状物を出し切ります。

     

    嚢腫壁が出てきました。こんにちは。
    チタン製のアイリス剪刃で、剥離して取り出します。

     

    丸く穴をあけましたが、皮膚の緊張で皮膚割線に沿った
    楕円形になります。

     

    しばらくは厳重な閉鎖療法を行ってもらいます。
    傷をきれいにするには、患者さんの努力もとても大切です。

    手術13日目です。半年もすれば目立たなくなります。
    患者さんも満足されて、私も嬉しいです。

     

    病理組織標本です。切り出し作業でぶつ切りされていますが、
    しっかりと全摘できていますよ。

     

    皮膚外科で行う、粉瘤手術。 よいでしょう?

    私たち皮膚外科医は日本皮膚外科学会を通して、切磋琢磨し合い、
    よりよい医療技術を追求し続けています。

     
     【注 意】
    粉瘤に発赤・腫脹などの炎症所見がある場合は手術の時期ではありません。
     なるべく早く地元の病院(皮膚科・形成外科・外科など)を受診してください。

  • 肝斑について

    2014-03-07 UP!     カテゴリー:しみ(ルビーレーザー), 診療だより

     

    Qスイッチルビーレーザーを常備しているせいか、顔のシミの患者さんがよく来られます。

    本当はシミという言葉は使いたくありません。

    私は皮膚科医です。しっかりとした病名で呼びたい。

    色があれば、なんでもシミと呼ぶのは・・・。

    雀卵斑(ソバカス)、老人性色素斑、肝斑、いろいろあります。

    扁平母斑、両側性遅発性太田母斑様色素斑、これはアザです。

    ブログに協力していただき、感謝します。

    44歳の女性です。頬全体に褐色斑が分布しています。

     

    反対側の頬です。

     

    美容皮膚科にいくと、シミですねと言われ、レーザートーニングやレーザーフェイシャルを
    数クール施行されます。

    そんなことをしていて、本当にいいのか?

    まずは診断です。
    一部に小斑状の老人性色素斑もありますが、本態は肝斑です。

    肝斑の治療はシンプルです。

    スキンケアの全面的な見直しです。

    肌への過剰な刺激を中止してもらいます。

    トラネキサム酸を処方することもあります。

    レーザートーニングがよいか、悪いかはわかりません。

    多くの美容皮膚科でスキンケアの指導がされていないことが気になります。
    医師ではなく、看護師が盲目的にレーザートーニングをくり返す現状も気になります。

    当院での治療3ヶ月後の写真です。だいぶ薄くなりました。
    スキンケア指導とトラネキサム酸500mgの処方だけです。

     

    治療前の写真です。

     

    シミという言葉は使いたくありません。

    肝斑は肝斑なのです。

  • 脂腺嚢腫 -其の二-

    2014-02-23 UP!     カテゴリー:粉瘤, 診療だより

    脂腺嚢腫は臨床が多彩です。

    えんどう豆大のものが多いのですが、米粒くらいのものもあります。

    米粒大の脂腺嚢腫です。エコー検査でかなり表在に局在しています。

     

    2mm トレパンでくり抜きます。

     

    丸く黄色い球体が脂腺嚢腫です。

     

    ダーモスコピー所見です。表皮の黒い部分はマジックの痕です。
    脂腺嚢腫のダーモスコピー所見、世界初公開ではないでしょうか。

     

    病理組織検査です。嚢腫壁が波打っていませんが、脂腺嚢腫です。

     

    脂腺嚢腫の嚢腫壁は粉瘤のそれよりは、ずっと薄くて軟らかいです。

    摘出にはちょっとしたコツが必要です。

当医院は『予約制』です。お問い合わせ・診療のご予約はこちら 受付可能時間=診療時間 TEL 052-332-7870

診療時間

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当医院は『予約制』です
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PM 2:00 - PM 4:30
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○…通常診療
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