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診療だより

診療だよりの記事一覧

  • 眼瞼下垂手術 ー修正術を振り返ってー

    2010-04-22 UP!     カテゴリー:眼瞼下垂, 診療だより

    たて続けに眼瞼下垂の修正術を行いました。
     
    思うところがあります。
     
    下の症例は眼科の先生より紹介を受けた症例です。
    3年前に某総合病院の眼科で眼瞼下垂手術を受けられました。
     
    術後の腫脹が3年経過しても取れず、睫毛内反を併発して眼球の痛みに苦しんでおられました。
    眼瞼下垂の過矯正が原因です。修正術を行いました。
     
    切開して固定された糸を探します。

     
    糸を3本抜糸しました。

     
    ここからが問題です。
    糸を外しても過矯正された挙筋腱膜が元に戻らないのです。
    眼科の手術では挙筋腱膜を瞼板から剥離するので下床と強く癒着してしまうのです。
     
    なんとか挙筋腱膜を剥離して過矯正を解除しました。

     
    術後、眼瞼の腫脹と過矯正さらには睫毛内反は治りました。
    患者さんからは感謝されましたが手術は大変でした(修正術なので自費診療です)。
     
    久保田伸枝先生の書かれた「眼瞼下垂」文光堂から引用します。
    やはり挙筋腱膜を瞼板から剥がし、再固定する術式が書かれています。

     
     
    次は私が執刀した眼瞼下垂手術の修正術です。
     
    術後の経過はよかったのですが、寝ているときに子供が顔につっこんできてから左眼が
    下がってきたとのことです。糸が外れてしまった可能性があります。
     
    切開したところ、内側の糸が緩くなっていました。このようなケースは初めてです。

     
    糸を外して挙筋腱膜を前転します。
    挙筋腱膜が瞼板と癒着していないので前転はスムーズに行えます。

     
    右眼に合わせてプロリン糸で再固定して手術は終了です。

     
    経過はとてもいいですよ。
     
    信州大学形成外科方式の眼瞼下垂手術は挙筋腱膜の癒着が少ないため修正術」が比較的容易です。
     
    信州大学形成外科方式は理論・術式とも素晴らしい手術です。
    この術式が眼瞼下垂手術のスタンダードなものになるとよいですね。

  • 皮膚科医が行うフォトRF治療 

    2010-04-15 UP!     カテゴリー:しみ フォトRF, 診療だより

    彼女のしみの診断は?
     

     
    鼻にも色素斑があることより、主体は肝斑よりは雀卵斑と日光黒子(老人性色素斑)が
    混在したものでしょう。鼻に病変があるかどうかは診断にとても大切なポイントです。
     
    右外眼角部の外側には大きな日光黒子もあります。頬部には毛細血管拡張も見られます。

     
    実は数ヶ月前にQスイッチルビーレーザーを照射しているのです。取り残しです。
    カルテを見ると4J での照射となっています。照射パワーが低すぎましたね。
     
    日ごろブログで大きなことを言っている割にはお粗末です。反省しています。
     
    炎症後色素沈着はいづれ消退するのですから気にすることはない。
    むしろ照射パワーが低すぎることに気をつけないとダメですね。学びました。
     
    話を変えます。
    この方の頬部全体にシミにはフォトRF治療がいいと思います。
    色白な方です。いきなりSRA で照射してもよいでしょう。
     
    SRA 照射終了時の写真です。
    シミの周囲が赤くなっているのが分かりますか? この紅斑反応がすごく大切なのです。
    白く囲んである部分は肝斑を疑った部分です。さすがにこの部分には照射を控えます。

     
    フォトRF治療はダウンタイムが少ない治療とされています。
    結論から言えばダウンタイムがゼロで効果がでるシミ治療は存在しません。
     
    フォトRF治療でもシミを薄くするにはmicro crust と呼ばれる微小な痂皮を生じさせることが必要です。micro crust を生じるかどうかは照射後の紅斑反応の有無と相関しています。
     
    私はこの紅斑反応を目安に照射モードを設定します。
    SRAのいやらしい点はこの紅斑反応が照射して数分経過してから出現するところです。
    レーザーマニュアルには記載されていません。すべて臨床実地より学びました。
     
    私はシミに一発照射して数分待ちます。とても大切なポイントです。
     
    SRA照射1週間後です。micro crust がかなり取れてきました。
    ほどよく照射すれば1回の照射でもこのくらいまでシミは薄くなります。

     
    フォトRF治療は最適な照射条件の選択が大切です。それが医師の仕事です。

  • 進化するフォトRF治療

    2010-04-08 UP!     カテゴリー:しみ フォトRF, 診療だより

    一つの医療機器を使いこなすには2年かかるな、というのが現在の実感です。
    単に私がおバカなだけかもしれませんが・・・。
     
    平成20年5月の開院時よりフォトRF治療を取り入れていました。
    最初はメーカーさんから送られる資料を参考に照射していましたが、満足のいく結果が
    得られないこともありました。悩みました。
     
    日々の照射、その治療結果からのフィードバックを経て、ようやく自信を持てる治療レベルに近づきました。
     
    ここまで2年かかりました。
     
    治療例を参照に私が行うフォトRF治療の変遷、考え方について述べたいと思います。
     
    下の写真は赤ら顔を主訴に受診された方です。

     
    フォトRF治療にはSR とSRA の2つのハンドピースがあります。
    赤ら顔には470~980nm とヘモグロビンへの吸収が高い波長を含むSRA を選択します。

     
    施術1週間後です。本人は「赤ら顔にいいですよ。頬部にハリも出ますね~」とご満悦です。
     
    本題はここからです。
    両頬部に細かい痂皮(micro crust)が出現しているのが分かりますか?

     
    右頬部のアップです。シミの一部に細かい痂皮が出ています。

     
    左側の頬部のアップです。

     
    1ヵ月後です。写真では分かりにくいですが、ほくろは残っていますが頬部のシミが少しだけ
    薄くなっています。
     
     
    もしもこの方の主訴が赤ら顔ではなく、頬部のシミ、くすみだったらどうでしょう?
    私も1回目の照射は標準ハンドピースのSR を選んでいたでしょう。
     
    おそらくこの方はSR で5回照射してもシミの改善は出なかったと思います。
    どんなに照射パワーを上げてもSR では効果が出にくい症例は存在するのです。
     
    思うに、2回治療して効果がない治療は10回治療しても効果がでないのではないでしょうか?
     
    ハンドピースのSR とSRA の違いはなんでしょうか?
    メーカーのカタログからの抜粋です。
    SR   波長 580~980nm、照射時間 ~25ms
    SRA 波長 470~980nm、照射時間 ~13ms

     
    どちらもメラニンに対する波長を持っています。
    シミ治療においては波長以外に照射時間が大きなファクターになっています。
    日本人のしみ治療に25ms という照射時間は長すぎるのかもしれません。
     
    SR にはそのよさもあります。
    日に焼けた人、雀卵斑(ソバカス)の1回目にはSRA は反応が強すぎて使いづらいです。
     
    色白の人のしみ・雀卵斑治療、よそのクリニックで何回も照射を受けた方は1回目からSRAを私は照射します。それでないと効果が出ないのです。
     
    私には標準ハンドピースのSR のみでシミ治療の効果を出す自信がありません。
    SR(Skin Renewal) SRA(Skin Renewal Advance) の2本のハンドピースがあってこそ
    満足のいくフォトRF治療が可能と私は考えています。

     
    治療歴、スキンタイプを考慮してSR とSRA を適切に使い分ける。

    2~3回で治療効果を出す(インターバルは3~4週間)。そして年に1~2回程度のメンテナンス照射を行い効果を持続させる。
     
    2年間のフォトRF照射の経験からこのよのうな結論となりました。
    もちろん私の個人的な考えに過ぎません。

  • 脂肪腫 season 3 DEEP なやつ

    2010-03-25 UP!     カテゴリー:皮膚腫瘍, 診療だより

    前額の脂肪腫は深いです。
     
    なぜか前頭筋の下で前頭骨の骨膜に接して局在しています。
     
    おでこの脂肪腫摘出にはちょっとしたコツがあります。
    それほど大したものではありませんが。
     
    素敵なミセスの左前額のしこりです。こりこりとして気になるようです。

     
    まずは皮膚エコーですね。
    脂肪腫は粉瘤と比べると内部エコーが高いです。骨膜の上にmassが局在しています。

     
    ここで「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery」分光堂から引用します。
     
    前額のシワの方向(横方向)に沿ってメスをいれます。

    前頭筋は縦方向に走行しているので、縦に筋層を切開します。

     
    実際の手術写真です。脂肪腫に下から押されて前頭筋が膨れています。

     

    縦に切開した前頭筋の間から脂肪腫を引きずり出します。骨膜からていねいに剥離するのがコツです。

     
    摘出した脂肪腫です。

     
    吸収糸で筋層を縫合、真皮縫合します。

     
    術後13日目です。
    左前額のキズがわかりますか?まだちょっと赤いですね。
    もう少し時間がたてばほとんど目立たなくなると思います。

     
    脂肪腫はキズが小さくなるようにsqueeze法(もみ出し)で摘出したいのですが。
    前額の脂肪腫は筋層の下で骨膜とがっちりと癒着しているのでsqueeze法は無理です。
    内視鏡で摘出する方法を形成外科の雑誌で読んだことがあります。
    そこまではちょっとね・・・。
     
    参考文献
    「皮膚科診療プラクティス4 Day Surgery の実際」分光堂 p.275
    23. 脂肪腫 田村敦志

  • 腱膜性眼瞼下垂症 -Sunken eyes-

    2010-03-18 UP!     カテゴリー:眼瞼下垂, 診療だより

    Sunken eyes とは何でしょうか?
     
    動詞 sink (沈む、くぼむ)の過去分詞が sunkenです。
    イギリス英語では sunken を形容詞としても用いるようです。
     
    sunken eyes  くぼんだ目という意味でしょうか。
     
    腱膜性眼瞼下垂症の患者さんにはsunken eyesを呈している人が多いのです。
     
    下の絵は腱膜性眼瞼下垂症の解剖です。
    挙筋腱膜が瞼板からゆるんだり、はずれることで眼瞼下垂が生じます。
     
    眼窩脂肪を被う眼窩隔膜と挙筋筋膜はくっついているため、腱膜性眼瞼下垂症では
    眼窩脂肪も眼の奥に引き込まれていきます。これがsunken eyesの原因です。

     
    最近、私が執刀した腱膜性眼瞼下垂症の症例を提示します。
     
    54歳の女性です。眼の開けづらさ、頭痛、左眼の奥の痛みを主訴に来院されました。
    上眼瞼のくぼみが著明ですね。

     
    電子カルテから拝借します。MRD が右1mm、左0.5mmと重症な眼瞼下垂症です。

     
     
    右上眼瞼の挙筋腱膜を前転したところです。上のほうに黄色い眼窩脂肪が見えます。
    sunken eyesの強い症例では皮膚縫合の際にこの眼窩脂肪にも糸をかけるのがコツです。

     
    術後1ヶ月半の写真です。
    眼の開けづらさはもうありません。頭痛、眼の奥の痛みも消退しました。
    sunken eyesも著明に改善しているのが分かりますね。

     
    54歳、人生もう一花咲かせられそうですね。
     
    腱膜性眼瞼下垂症の手術は眼のあけづらさを解消する機能を目的とした手術です。
    しかし、結果として上眼瞼の若さも得られることが多いのです。
     
    まさに機能美の追求でもあります。
     
    追記
    遺伝的に上眼瞼のくぼみが強い人もいます。脂肪注入などもよいと思います。
    残念ですが私は脂肪注入を行っていません。
     
    脂肪注入を希望のかたには岐阜市にある「市田クリニック」さんを紹介しています。
    院長の市田正成先生の技量はとても素晴らしいです。

  • 進化する多血小板血漿療法

    2010-03-11 UP!     カテゴリー:PRP療法, 診療だより

    多血小板血漿療法(W-PRP)とは何ぞや?
     
    採血した血液から白血球、血小板を分離し、それに細胞成長因子を添加してシワに注入
    する治療です。
     
    頬部の施術例を提示してこの治療に対する印象を述べます。
    最後までお付き合い下さい(笑)。
     
    54歳の女性です。頬部のたるみと小じわを気にされて来院されました。
    ほうれい線が目立ちますね。ほうれい線の外側に放射状に伸びる小じわが見えますか?

     
    ほうれい線にヒアルロン酸を注入するのもありです。
    今回は頬部の小じわも治療したいのでW-PRP療法を選択しました。
     
    ほうれい線には細胞成長因子を添加することがあります。
    ヒアルロン酸と違い、皮下に注入するのがコツです。

     
    放射状の小じわには真皮内にメソセラピーの要領で点状に注入します。

     
    マッサージしてほどよくならします。このマッサージが重要です。

     
    さあ2週間後の写真です。最初の写真と比べてください。
    ほうれい線がずいぶんと浅くなりましたね。ヒアルロン酸注入と比べると注入部を触れた
    感じがとてもナチュラルです。放射状のしわはあと一歩といったところでしょうか。

     
    顔全体をお出しできないのが残念です。
    初診の時と比べると顔全体の印象が変わりましたよ。顔全体にハリがでた感じです。
     
    通常は1ヵ月後くらいより効果が出始め、3ヶ月くらいで仕上がります。
    この方は割りと早く効果がでました。
     
    これから頬部の放射状のシワにも効果が出てくるといいですね。

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